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《ブラジル》米環境サミットでボルソナロ「伐採ゼロ」約束へ=バイデン政権の厳しい要求受け=態度に変化? でも「支援金くれ」

バイデン大統領(Twitter)

 22〜23日に米国主催の「気候変動サミット」が行われ、法定アマゾンの森林伐採増加で国際的に問題となっているボルソナロ大統領の出方も焦点のひとつとなっている。ボルソナロ氏は米国のバイデン大統領に対し、「森林伐採抑制に努め、2030年までにゼロにしたい」と書いた文書を渡しているが、「そのためには資金ありき」とした発言が物議を醸している。21日付現地紙などが報じている。
 ボルソナロ氏は18年の大統領選の際、「森林伐採の罰則を減らす」ことなどを公約にして当選。19年8月には法定アマゾンの森林火災拡大を受け、欧州、特にフランスのマクロン大統領などから強い批判を受け、国際的に波紋を呼んだ。バイデン氏当選を最後まで認めようとしなかった大統領の一人だったボルソナロ氏は、「アマゾン問題は火薬で決着」などと猛反発している時期すらあった。
 その当時の米国は環境問題に真っ向から反対していたトランプ大統領の時代で、米国自身がパリ協定からも離脱するなどしていた。そのため、トランプ氏を崇拝するボルソナロ氏は国際的批判に耳を傾けることなく、森林開発による農地拡大、食糧増産などを推奨していた。
 だが、バイデン氏が大統領になったことで事態が一変。同氏は大統領選の最中から環境問題を重視する姿勢を強調しており、当確直後の昨年11月には、ボルソナロ氏にアマゾンの森林保護を徹底させることを明言していた。
 環境問題で国際的に孤立する事態もあり得る状況となったボルソナロ大統領は、22日からの気候変動サミットに先駆けた14日、米国から「ブラジルは気候変動に関する動きの鍵となるパートナーであり、ブラジルがリーダーシップをとってくれることを望んでいる」と呼びかけられ、バイデン氏に手紙を送った。
 ボルソナロ氏はその中で、2012年からブラジルの森林伐採量が増えていることを認め、「今後、森林伐採の削減に努める」と発言。「2030年までに伐採量をゼロにしたい」とまで書き記した。

 この発言そのものは、これまでのボルソナロ氏とは異なるものであった。しかし、大統領はこの手紙の中で、「そのためには資金が必要だ。州や民間、さらには国外からの援助が必要」だとして、資金の援助を求めた。
 その2日後の16日には、リカルド・サレス環境相も、大統領の言葉をさらに具体化するように「森林伐採削減のためには10億レアル(約194億円)の援助(国際支援)が必要だ」との声明を出した。こうした言動の前に、「所詮は金が目的か」と批判的な声もあがっている。
 米国上院はボルソナロ大統領が手紙を送った直後に、バイデン氏に「ブラジルが約束を果たすまで金は出すな」と申し入れた。同国政府も、ブラジルが伐採削減計画を即座に実行に移すよう要請。20日には、欧米諸国の議会や市民団体が、「ブラジルが森林伐採削減目標を達成するまでは資金援助を行わないように」と、外交官らに申し入れているとの報道も流れた。
 ブラジルではこの3月、810平方キロメートルという、3月としてはこの10年間で最大となる森林伐採面積を記録。昨年同月比で216%増の事態となっている。
 一方、サレス環境相はパラー州とアマゾナス州での大規模森林伐採を取り締まろうとした連邦警察への批判を行い、製材業者らとの会合も行っている。同相は、下院での環境問題の財政管理に関する疑惑に関する議会調査委員会(CPI)でも捜査対象になる見込みで、連警や検察庁、議会からも反感を招く言動を重ね続けている。
 気候変動サミットは約40カ国が参加して行われ、バイデン氏や各国首脳がブラジル政府に対してどういう態度で挑むかが注目されている。

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