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サンタクルス日本病院に改名=「国内トップレベル目指す」=最新がんセンター来年3月開設

病院の前で記念写真

病院の前で記念写真

 サンパウロ市南部にあるサンタクルス病院(佐籐マリオ理事長)は82回目の創立記念日4月29日を機に、病院名を「サンタクルス日本病院」に改名する式典を13日に同施設で行った。その際、佐籐理事長は「その名に恥じぬよう、国内トップレベルの病院となる事を目指します」との意気込みを語った。
 マラリアや結核により奥地の耕地で次々に日本移民が亡くなる事態に対処するため、戦前唯一の日系医療機関「同仁会」が中心になって病院建設計画を作った際、皇室から御下賜金があったことで一気に募金が進み、1939年に開院することができた経緯がある。
 それに感謝して同院創立記念日は昭和天皇の誕生日だ。開院当時はクリニカス病院ができる前であり、南米一の医療施設と言われ、多くの高名な医師が働き、日本移民だけでなく著名人の多くがここで治療を受けた。
 ただし大戦が勃発して日伯が敵味方に分かれた関係で、1942年に連邦政府の介入が入り、経営権が日系社会から離れた。日本移民は「日本病院」と呼び習わしたが、1990年まで日系社会に経営が戻ることはなく、今回初めて病院名が正式に「日本病院」となった。
 式典でまず石川前理事長は「パンデミックの中で日本政府やJICAから大きな支援を頂き、絆の強さを再確認した。日本病院の名に恥じぬよう、これまで以上におもてなしの精神で患者に接するようしたい」と挨拶した。改名は石川氏が理事長だった時代からの念願だった。
 今年度から理事長に就任した佐藤氏は「82年の歴史に誇りを持っている。がんセンター改修工事を完成させ、より多くの方の命を救える存在になるようにがんばります」と強調した。
 JICA支援で来年3月開設にむけて進んでいるがんセンター改修工事では、国内はアインシュタイン病院にしかない最新放射線治療装置「ハルシオン」を導入する。国内トップクラスに並ぶ病院として技術や人材、サービスを整えていく。
 「草の根・人間の安全保障無償資金協力」による人工呼吸器4台の贈与をした在サンパウロ日本国総領事館の桑名良輔在総領事や、JICAブラジル事務所の江口雅之所長と門屋篤典次長なども招かれた。
 桑名総領事は石川前理事長の貢献へ感謝を表し、「このコロナ禍の中で日々努力されている皆様への感謝を述べると共に、同院と日系社会のため一緒に努力していきましょう」と締めくくった。
 江口JICA所長は「がんセンターは多くの日系社会及びサンパウロ市民のがん患者治療へ希望を与え、貢献すると信じております。」と期待し、「日本との関係を強化してきた石川前理事長時代から佐藤新理事長となっても懸け橋の役割を継続・強化されることへの期待を語った。
 国内には「ドイツ病院」「イスラエル病院」「シリオ・リバネース病院」「ポルトガル慈善協会」など国民や民族名を掲げる病院は多い。同院も日本を掲げることで「高い医療技術」や「信頼性」などの良いイメージが強められると期待されている。
 佐藤理事長は「日本を掲げることで責任は重くなりますが、良い医者や看護師のチームが揃っていますので、日系社会だけでなくブラジル社会にも良いサービスを提供できると思っています」と頷いた。

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