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援協=JICA助成金に感謝=コロナ禍ダメージを回復=「ブラジル社会に貢献する」

第2波が到来して3月12日に満床状態になった日伯友好病院

 「ブラジル中が未曾有のパンデミックで苦しむ中、JICA助成金のおかげで健全な経営に戻り、傘下の福祉施設では入居者の環境改善も可能になりました」と園田昭憲副会長は感謝した。職員数が約2500人を超える日本国外では世界最大級の日系団体、サンパウロ日伯援護協会(援協、税田パウロ清七会長)は、5月の定例会議でJICA施設等整備助成金交付事業の建設委員会を設立し、施設設備の整備事業を完了させるため本腰を入れはじめた。

 園田副会長と洲崎勝副会長、前園マルセリーノ事務局長、広報課の吉村エドアルドさんが4日、JICA支援について説明するために来社した。
 援協は昨年、コロナ禍で財政赤字が膨らんだ分の補填として、医療部門のサンパウロ日伯援護協会と福祉部門の日伯福祉援護協会、合わせて約1800万レアル(現在のレートで約3億8546万円)の助成金をJICAからもらった。
 昨年4月の第1波で同病院はコロナ患者で満床になったが、一般の入院患者や手術がほぼ無くなった。その分、収入は激減し赤字に落ち込んだ。前園事務局長は「このような赤字は病院設立当時以来でした」と深刻な面持ちで説明した。
 その後、増床対応をしたが、今年3月から4月にかけて到来した第2波では、前年を上回るコロナ患者が入院した。

 援協傘下の病院のひとつサンミゲル・アルカンジョ病院は公営のSUS医療機関だが、市から委託を受けて援協が運営している。第2波ではここのコロナ患者も急増し、酸素ボンベや、人工呼吸器を使用する際に必須の麻酔薬が足りなくなり、あと1日分で在庫切れというギリギリの状態にまで陥ったことがあった。

 その際、友好病院がインドやペルーで買いつけてきた在庫を回したことで事なきを得た。当時、酸素ボンベが無くなって患者が死亡したり、人工呼吸器装着用の麻酔薬の在庫が切れてあちこちの病院では患者を紐でベッドに縛り付ける所もでるような状態だった。
 そして今年は、援協本部と奄美事業所以外の医療部門と福祉部門からそれぞれJICAに助成金を申請し、現在は審査結果を待っている段階だ。申請額は医療部門で5億円に及ぶ額となる。日伯友好病院ではAR技術を取り入れた最先端機器等を整備していく。
 「JICAから大きな御支援を頂けて非常にありがたい。ブラジル社会全体が未曾有のコロナ災禍に苦しむ中、我々が広く貢献することで、日本へ評価への親近感も高まるはず。今だからこその活きた金として活用していきたい」と園田副会長は、2年に渡るかつてない大きな支援に感謝を述べた。とはいえ「5月から第3波到来という声も多い。気を引きしめて対処しなければ」と襟を正した。

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