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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三

知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(14)

《補講》明治維新とは何か  一国の統治者が、自らのその身分を廃して、新しい国家をつくった世界に例のない改革は、なぜ実現できたのか。  欧米の列国は、1800年には地球の陸地の約35%を支配していました。第1次世界大戦が始まった1914年には、その支配圏は約84%に達していました。  日本はその中で欧米列強の植民地化をまぬがれてい ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(13)

第4章 近代の日本と世界(Ⅰ) 第1節 欧米諸国のアジア進出 市民革命と産業革命  1688年、英国では名誉革命(市民革命ともいう)が起こり、17世紀後半より100年間政治と宗教の間で争いが続いた。国王と議会の間で話がつき無血革命が成功、イギリス王は亡命、新しくオランダから王を迎え、イギリスでは立憲君主制の議会政治となった。   ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(12)

第 4 節 幕府政治の展開  18世紀に入ると、年貢米に依存する幕府財政は、米価に左右されて絶えず不足がちで、旗本・御家人への俸禄も事欠くようになった。1716年、第8代将軍徳川吉宗は「世直し」を唱え、率先して粗衣粗食を実行して、家臣や町人に倹約令を出した。  諸大名には石高の100分の1の米を幕府に上納させる「上米の令」を発し ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(11)

第3節 産業の発達と教育・文化の普及  17世紀のなかばになると、戦国時代の荒々しい気風も弱まった。5代将軍徳川綱吉(1646―1709)は1687年、「生類憐みの令」(しょうるいあわれみのれい) を発し、あらゆる生き物の殺生を禁じた。犬や猫でも虐待したら島流しになるなど行き過ぎた処罰は批判を浴びて、「犬公方」とよばれたが、一方 ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(10)

第2節 江戸幕府の成立  豊臣秀吉の次に最大の実力者になったのは徳川家康(1542―1616)であった。秀吉は大阪の近くに家康のような実力者がいることを警戒して、家康の所領を本拠地の三河地方から関東に移した。  家康は、辺境の地の江戸を開拓して町づくりを進め、実力をたくわえた。秀吉の死後、家康は多くの有力武将を味方につけて160 ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(9)

 日本人が広く国外に目を向けるようになる一方、国内では群雄割拠する有力な戦国大名が、我れ先にと京都にのぼり、朝廷の信任によって全国の統治者になろうと競い合っていた。  その中で尾張(愛知県)の織田信長(1534-1582)が斬新な戦略と京都に近い地の利を生かして、頭角をあらわした。1560 年、駿河(静岡県)の今川義元を桶狭間で ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(8)

 武家政治を象徴する美術は、彫刻によくあらわれている。写実的で力強い造形が、運慶・快慶とその弟子たちによって生み出された。東大寺南大門の金剛力士像は隆々たる筋肉と憤怒の表情で見る者を圧倒した。  興福寺にある古代インド仏教の学者無著(むちゃく)とその弟子世親(せしん)の像も運慶の作とされる。重源によって宋の建築様式で再建された東 ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(7)

第2節 武家政治の展開  鎌倉幕府の支配が揺らぎ始めると、北条氏はいっそう権力を集中しようとして、かえって御家人の反発を強めた。  14世紀の初めに即位した後醍醐(ごだいご)天皇は、天皇自らが行う天皇親政を理想とし、その実現のために倒幕の計画を進めた。初めは計画が漏れて失敗し、後醍醐天皇は隠岐の島に移された。  後醍醐天皇の皇子 ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(6)

第1節 武家政治の始まり  保元の乱(ほうげんのらん)とは、後白河天皇と崇徳上皇との間の激しい対立からおこった騒乱です。これに、勢力争いをしていた藤原氏の兄弟や、有力な武士たちが二手に分かれて加担し、戦いが始まったのは1156年でした。戦乱は小規模だったが、都を舞台とした天皇・上皇の争いの解決に、武士が大きな力を発揮した。  こ ...

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知っておきたい日本の歴史=徳力啓三=(5)

大宝律令と平城京  701年、大宝律令がつくられた。「律」は刑罰、「令」は政治のしくみを定めた法律で、律令に基づいて政治を行う国を律令国家とよぶ。日本はこうして律令国家として1300年も前に完成した。  律は唐にほぼならったものであったが、令は日本の実情に合わせて独自につくられた。たとえば、国政全般をつかさどる太政官のほかに神々 ...

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