ホーム | アーカイブページ 11

記事一覧

話題=日本料理=「青柳」の時代から隔世の感

グルメクラブ 10月22日(金)  地方から札束を抱えて上京したジャガイモ成金が一晩で贅の限りを尽くしスッカンピン、田舎に戻って女房から雷落とされても、そこの「芸者」の艶姿と、ご馳走を思い描き農作業に再び精を出したとか、いまもコロニアの記憶に鮮やかに残る高級料亭「青柳」。語り継がれる逸話は枚挙に暇がないが、往時のリアルな姿をぜひ ...

続きを読む »

酒=ミオロはジャイアンツ

グルメクラブ 10月22日(金)  国産ワイン大手メーカー、ミオロ社がこのところ新発売した赤ワインがどれもいい。中でもいま人気沸騰でほぼ完売という「RAR」はラルと読むのか。その売り文句に感心した。「高度3000フィートの個性」と、商品カタログで強調する。産地はリオ・グランデ・ド・スール州の一千メートル地帯。天国に近いワインとい ...

続きを読む »

San Paolo / Sao Paulo- (2)=ブラースの夜と昼

グルメクラブ 10月8日(金)      夜  「ナポリを見て死ね」なんていわれても、実際にこの眼で、警句の真偽を確認しなければ素直にはうなずけない。そう思い立って、かの地を目指したのは、もう十年も前のことになる。  ベスビオス火山をのぞむナポリ湾に続く路地裏をさまよった。かねてから味わいたいと熱望していた、トマト風味のライスコ ...

続きを読む »

「鉄道ビール」

グルメクラブ 10月8日(金)  どこで飲むビールが一番うまいか、なんて人それぞれの好みなので、答えはありません。仕事帰りの居酒屋もありましょうし、ゴルフに行ってワンラウンドを終えたあとのクラブハウスを挙げる方も多いでしょう。列車に揺られつつ車窓の外の景色を眺めながら、というのが私が約三十年の人生で覚えた最高のシチュエーションで ...

続きを読む »

「没後10年 気取らない料理愛したジョビン」

グルメクラブ 10月8日(金)  音楽家のトム・ジョビンが世を去って今年で十年。記念発売された彼の代表作「エリス・エ・トム」DVD版が売れている。歌姫エリス・レジーナとの掛け合いが絶妙な収録曲「アグア・デ・マルソ」は、二十世紀ブラジル音楽史に残る金字塔だ。  この不滅の名盤が録音されたのは一九七四年だという。三十年を経ても色あせ ...

続きを読む »

San Paolo/ Sao Paulo -1- 2大ファミリー

グルメクラブ 9月24日(金)  ファザノ家とマンチニ家。最近サンパウロのイタリア料理は、ある意味でこの両家を軸に回転している。最先端のイタリア料理に目配りしたいずれの系列店もマジで高級志向、一泊平均三百ドルのホテルまで立ち上げたファザノ家。対して、大衆的な色合いを持ち味に、たまの外食でワンランク上の気分を味わいたい庶民の心をが ...

続きを読む »

酒=リッチなお洒落=サガティバ

グルメクラブ 9月24日(金)  世界中が注目したサッカーのロナウドと、モデルのダニエラ・チカレリの婚約発表。彼らが初めてキスを交わした場所はどこだろう。報道によれば、答えはサンパウロ市ジャルジンス区にあるディスコクラブ、ヘブン。男性は最低一五十レアル以上の消費が義務付けられる高級店だ。客筋は極めて良い。無論、財布の中身であらか ...

続きを読む »

話題=古くて新しい「舶来品」

グルメクラブ 9月24日(金)  飛行機の時代を迎えても輸入品を「舶来品」と呼んでしまう古風な私は港リオの旧市街にいくと、必ずアッセンブレア街の輸入食材店リダドールに立ち寄る。チョコレート、ビスケット、キャビア、オリーブオイル、そしてワインにチーズ……。容器や包装のデザインを眺めているだけで大いに楽しめる。入場無料の食のテーマパ ...

続きを読む »

話題「ホットドッグのサンパウロ流儀」

グルメクラブ 9月10日(金)   ついに焼きそばの時代が本格到来するのか。パウリスタ通りで中国人が屋台を構え始めたとき、そんな予感にとらわれた。もう二、三年前のことになる。  焼きそばの台頭が見られる以前、サンパウロの屋台業界のレース展開は緩みきっていた。先頭集団はパステル、ホットドッグ、シュラスキーニョで、併走状態。ハンバー ...

続きを読む »

「チェ・アメリカラチーナ=5=メキシコ」

グルメクラブ 9月10日(金)  クレープのようなパン生地で中身の具が包み隠すされた料理を、仮に「覆面料理」と呼ぶなら、メキシコはその王国だ。トウモロコシの粉を挽いて作る薄いパンケーキ、トルティーヤを主食とするメキシコ人。中に入れる材料によってこれを巻いたり畳んだりし、多彩に臨機応変に「変身」させて楽しむ。鮮やかな調理の手法は曲 ...

続きを読む »