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2003年

俳優・竹本孝之の連載エッセイ-第9回-日系子女の声求めて来伯

俳優・竹本孝之

2003年7月15日(火)  『NHK中学生日記』矢場先生役の竹本孝之です。今私は、ブラジル・サンパウロ行きの飛行機の中でこの文章を書いております。近くなったとはいえ二十四時間。私の住む日本から見れば、地球の真反対にあたるブラジルの地に私は漸く行く事が出来ます。 私はこの紙面でコラムを書くようになってから、益々日系ブラジル人の方 ...

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〝評価ゼロ〟の土地で=生き抜いてきた長州人=―南マ州バルゼア・アレグレ移住地(終)=素朴な歌詞「バルゼア音頭」―踊りの振りは前進のみ

7月15日(火)  「俺が住所をバルゼアと決めて、こえた茨の拓くみち、そうよあなたのでっかい夢が、花を咲かせて実らせた…」。  バルゼア・アレグレ産業組合は百万レアル以上を投じて、昨年より移住地内に洗卵選別工場を建設してきた。竣工式が六月二十六日、同工場で開かれ、約四百人が祝福に駆けつけた。  バルゼア音頭(ブラジル農業移民者の ...

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〝評価ゼロ〟の土地で=生き抜いてきた長州人=―南マ州バルゼア・アレグレ移民(3)=初期、3年レ連続の旱魃=重かった円建て債務

7月12日(土)  バルゼア・アレグレ移住地は約三万六千三百六十三ヘクタール。旧海外移住振興会社(JAMIC)が五八年に、邦人自営農受入地として購入、造成した。  小沢太郎山口県知事(当時)が造成中に視察して県民の移住先に適していると判断。移住者には長期貸し付け金を融資した。  特典があったためか、山口県出身者は七八年十月の時点 ...

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〝評価ゼロ〝の土地で=生き抜いて来た長州人―南マ州バルゼア・アレグレー=水害絶えなかった粟野村=いま過疎、昔の資料なく

7月11日(金)  粟野村は現在、豊北町に合併されている。山口県の西北の隅に位置、油谷湾に臨む。フグ、タイ、トビウオなど海の幸に恵まれた小さな漁村だ。  豊北町の人口は一万三千百二十四人(二〇〇〇年)。バルゼアへの移住が始まる四年前(一九五五年)には、二万八千百四十八人だった。過疎化が年々、進んでいる。  町役場にはもう、五〇年 ...

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〝評価ゼロ〝の土地で=生き抜いて来た長州人―南マ州バルゼア・アレグレ移住地―(1)渡伯前、粟野八幡宮から=分けてもらった御神体

7月9日(水)  評価ゼロの土地――。南マット・グロッソ州の州都カンポ・グランデ市から西へ約五十キロのテレーノス市。JAMIC(現・国際協力事業団)の直轄地としてバルゼア・アレグレ移住地が造成され、第一陣九世帯五十四人が一九五九年五月十五日、ペドロ・セレスチーノ駅に降り立った。テレーノスとは、インディオの言葉で米の生産を意味。移 ...

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移住坂 神戸と海外移住(終)=旧移民収容所を活用=海外日系人会館建設へ

7月8日(火)  神戸で今進めている海外移住者顕彰事業は「神戸港移民船乗船記念碑碑」、「移住坂」、「海外日系人会館」の三事業(「神戸移住三点セット」)。神戸のまちを上げて、広報、啓発事業を実施し、海外日系人と祖国日本を結びつけるための町としたい。  その最初の事業、移民船乗船記念碑が、二〇〇一年四月、メリケンパークに完成し、続い ...

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移住坂 神戸と海外移住(12)=たびたび変った名称=収容所、歴史とともに

7月4日(金)  「神戸移民収容所」(内務省所管)は、昭和三(一九二八)年三月の開業以来、七十余年にわたり、神戸の高台から町と港を見つめてきた。開業時、三千三百平方メートルの敷地に五階建の本館(延床三千五百六十四平方メートル)が建つのみであったが、移住者の激増で手狭になり、二年後の昭和五年三月には早くも増築を余儀なくされている。 ...

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移住坂 神戸と海外移住(11)=収容所第1期生の旅立ち=2キロを700人の隊列

7月3日(木)  一九二八年三月十七日、ついに出発の日がきた。講話と予防注射に明け暮れた七日間だった。  雨の中を到着した初日の身体検査、二日目の第一回チフス予防接種、三日目は午前の講習(一般的心得、外国における邦人の心得、ブラジル事情、歴史、社会事情、国際性及農業並びに移民事情)、午後ブラジル語及び衛生講話、四日目は種痘と講習 ...

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本紙記者がのぞいた=亜国日系社会は今―終―亜国邦字紙最後の砦=相次ぐ他紙廃刊を超え

7月2日(水)  現在「らぷらた報知」の発行日は火、木、土の週三回(四頁で西版は木に二頁)。日本語編集部は高木さんを含め三人、製作や営業部も含め、十数人がアルゼンチンでの日本語新聞の最後の砦を守り続けている。  在亜日系社会は約三万人。一世の数はかなり少ないと言われるなかでの発行部数約二千はかなりの健闘振りといえるだろう。  「 ...

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移住坂 神戸と海外移住(10)=渡航費は大人200円28年=乗船前夜、慰安の映画会

7月2日(水)  神戸又新日報の収容所レポートは続く。六日目の午後、海外興業の社員が収容所に来て渡航費の精算をした。同社の手配で入所前に移民宿に滞在していた移住者の宿代、雑費が細かく算盤ではじかれて家長に請求される。  渡航費は、移住申し込み時支払済みの保証金五円を含めて大人二百円、十二歳以下七歳まで百円、七歳以下三歳まで五十円 ...

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