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オーリャ!

コラム オーリャ!

 「七宝がすでに伝統から抜け出ている一方、いけ花はまだ日本的なものから抜け出ていない開発途上」。先日文協で開催された展示会「七宝と花の出会い」を訪れた一人の客が漏らした。  悪意の無い言葉だが、池坊側主催者は自分の作品を批判されたように感じたのだろう、多少気を悪くした様子を見せた。  しかし考えてみれば、七宝が中国では琺瑯、西洋 ...

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 「観光地として売り出したい」。ノロエステ線の平野植民地で、最近そんな持ち上がっている。現地文協のヤマシタ・ジューリオさんによると、五十年以上前に建築された寺院を、目玉に出来るという。  通訳五人男の一人平野運平によって、一九一五年に創設された同植民地。当初から、マラリアやバッタの大群で大きな被害を受けたことは、あまりにも有名な ...

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 実るほど頭を垂れる稲穂かな―。小原彰陸軍予備役少将は、その言葉を地で行く謙虚な人物だ。  昨年八月、フロリアノーポリス日本人到来二百周年祭の前日、床に這いつくばって展示パネルを作っていた姿が思い出される。「ゼネラウはどこだ?」と探していて驚いた。まさに現場の人であり、自分が先頭に立って働く。百周年祭典協会でも毎日仕事をしている ...

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 毎年この季節になると、体がいくつあっても足りないと思う。サンパウロ国際映画祭が開幕。来月四日まで市内複数の映画館で、国内外から集められた話題作三百二十九本が鑑賞できる。  近年注目を集める中国映画が、一本のみというのは意外だった。だが、香港や日本との合作もしっかり見当たる。将来はソフト産業でも中国が覇権を握りそうな勢い。  特 ...

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 パラナ新聞による、先の選挙の当選者寸描。まずウライ市長の内村之(すすむ)氏。既報のように、全国最年長の八十六歳、今回で四度目の当選。九七年~〇〇年の任期のとき「娘」と「嫁」が、市の児童福祉施設で本当のボルンタリオとして働き、一センターボも市から(給料を)受け取らなかった。  市民から絶対的な信用を得ており「市長は、ウチムラでな ...

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  「〃花が咲き誇る〃という言葉は使わない。花は咲くべき時に咲いているだけ。決して咲いているのを誇っているわけじゃない」と話すのは、第一回海外日系文芸祭短歌部門で新聞放送協会賞を受賞した瀬尾天村さん。  瀬尾さんにとって俳句や短歌は「自分の心を表すもの。だからこそ誰にも真似できない」。普段何気なく使う言葉の一つ一つにも自然と「心 ...

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 埼玉で起きた「集団自殺」は、ブラジルでも特異に映ったのだろう。新聞や雑誌で取り上げられていた。  ヴェージャ誌(十月二十日号)は「自殺天国」との見出しで、二ページを割いて報道。  心理士の中川郷子さんは「費用のかさむ医療を必要としたり、老人ホームの入居費を払えない高齢者が家族を苦しめないために自殺。それを誰も、気にしていない」 ...

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 Toda unanimedade e burra(満場一致は馬鹿げてる)―。七日の百周年協会記者会見で、渡部和夫顧問はそう言った。邦字紙などから「コロニアの総意がない」と批判されている話の流れで、揶揄を込めて、著述家ネルソン・ロドリゲスの有名な言葉を引用した。  先月、小泉首相来伯時、同行してきた外務省報道官も「現状の日伯総合 ...

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 近くて遠い国。互いにそう感じていた時期が長かった日本と韓国。だがサッカーW杯後は、両国間に強い親和力が働き始めている。  そんな折、韓国人青年と会った。二十二歳。ふとしたことから恋愛の話題になり、「彼女はいません。近く兵役を控えていますから」。二年以上の服役が義務だという。  プロ野球選手、俳優らの兵役逃れが最近明るみに出た。 ...

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 「歌」「唄」は、言葉以上に人と人をつなぐことができる。非日系の親日ブラジル人を得るのにも役立つ。 パラナ童謡歌謡大会は今年五十周年。先月、マリアルバで記念式典が行われ、功労者が表彰された。五十年前はカラオケなどなく、伴奏は生バンドだった。表彰された一人は第一回大会以来、バンド「ビッグボーイ」でアコーデオンを演奏し続けてきた唯一 ...

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