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バランス感覚ある人=元県連会長 網野弥太郎

2003年1月1日(水)

 リーダーの条件、これは言ってしまえば『バランス感覚』の一言に尽きるんじゃあないか。もちろん理念や方向性を提示できるという事も大事ですよ。しかし、かつてはカリスマを持った人間がいたわけですよ。またそういう人が傑出して素晴らしかった。その時代、流れの中でね。でも一人の人間に期待する時代は終わったんですよ。
 今は皆がそれぞれのあるものを持ってる。だが、その方向や信念というものが一つの統一性を持っていないんだな。これがコロニアのリーダー不在の原因じゃないだろうか。
 そこで求められるものはそれらの人々をまとめられる人間、人の話をよく聞ける人間。簡単なようだけどこういう人がいないんだな、実際。それぞれが好きなこと言って、好きなことやってる。そこが問題。みんなを繋げることが出来るということは一つの才能だし、もって生まれたもんだけど、そういう人はいるはず。
 あと思うのは一世、二世じゃあないんだな、もう。特に一世はこだわりが多すぎるんですよ。様々な過去の概念やしがらみを断ち切れる人間。それは三世ですよ。
そこで最初の話に戻るんだけど、三世がブラジルと日本の両方のバランスを取れるような気がする。一番層の厚いところでもあるしね。それをもり立てるのが我々。「日ポ両語が話せることが条件」なんていう人もいるけど、言葉は問題ないと思う。そういうところで助け合っていく互助努力が必要。一人の人間に全てを求めること自体がもう古いんですよ。さっきの繰り返しになるけど。  
 現代の新しい価値観を持った人望のある、人と人を繋ぐことの出来る人間、それがリーダーの素質じゃないかと思うんだけどもいかがなものか。

◇文協は今、経営理念の再追求=改めて問う=日系社会の新リーダー像

◇日伯関係強くする人材=サンパウロ総領事 赤阪清隆

◇何よりも理念持つ人=商工会議所会頭 田中信

◇集団的指導体制確立を=人文研理事 鈴木正威

◇バランス感覚ある人=元県連会長 網野弥太郎

◇カリスマと先見の明=文協事務局長 安立仙一

◇人々を惹きつける魅力=会社経営 中村勉

◇不可欠、身辺の清潔感=会社経営 赤嶺尚由

◇構想力など条件3つ=援協事務局長 山下忠男

◇政治に介入できる人=サ・アンドレー日系連会長 竹本泰二

◇〝日系〟不要、経営のプロを=日語普センター理事 中田みちよ

◇高い志持つ清廉の士=秋田県人会理事 大槻洋志郎

◇会員の気持の理解者=沖縄県人会第一副会長 与儀昭雄

◇自然に生れ出てくる=京都クラブ代表 花山圭一

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