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2019年2月22日の記事一覧

■ひとマチ点描■「五箇条の御誓文」のプレート

寺田専登さん

 「『寺田さんは日本に対する愛国心が強いから持っててくれ』と藤本さんがくれたんです」――サンパウロ州サンカエターノ市在住の寺田専登(せんと)さん(86、二世)は来社し、そういって「五箇条の御誓文」のプレートを見せてくれた。  寺田さんは1933年に当地で生まれたが「日本に帰るのだから」と家庭内では日本語のみ。厳しい日本語教育も受 ...

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「かなえ合同歌集」追悼刊行=亡き歌人、藤田朝壽さんに捧ぐ

本の装丁

 亡きコロニア歌人・藤田朝壽さんに捧げる追悼歌集『かなえ合同歌集』(全160頁)が今年1月に刊行された。  昨年1月4日に亡くなった藤田さんは、サンパウロ新聞歌壇や老荘の友で選者を務めていた歌人。15年に亡き妻に捧げた自選歌集『赭き大地を』に続け、2冊目となる自選歌集を準備していたところ、志半ばで逝去した。残された遺作は僅かで一 ...

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大耳小耳

 今週に入り、3つの日本からの研修団が立て続けに来伯している。どの団体も大学生が中心で、日本の冬休み時期だからだろう。驚いたのは、団体のほぼ9割以上が女性参加者なこと。日本の場合、女性の方が男性よりもグローバル思考が高いとは最近よく言われるが、今回の女性率の高さからも頷ける。また、デカセギ子弟の日系人も何人かおり、自分の経験から ...

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『百年の水流』開発前線編 第四部=ドラマの町バストス=外山 脩=(18)

蚕種製造所(1932年)

蚕糸の鬼  話を終戦直後に戻す。  バストスでは蚕糸業者が次々、廃業していた。そういう時、その蚕糸業に執着していた男がいた。  橋本光義という山梨県人である。資料類は彼を「短躯ながらも剽悍、直情径行、志操強靭、蚕糸の鬼」と形容している。1900(明33)年の生まれで「蚕の中で生まれ、蚕と共に育った」という。生家が養蚕を営んでいた ...

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臣民――正輝、バンザイ――保久原淳次ジョージ・原作 中田みちよ・古川恵子共訳=(54)

 こうして、彼らは別の道を歩むことになった。  正輝は父親と同年輩の移民のやさしい家族に迎えられた。名前を稲嶺盛一といい、妻は沖縄でよく使われるウマニーという愛称でよばれていた。彼女は正輝を自分の息子のようにあつかった。稲嶺盛一は新城村出身でも、具志頭郡出 身でもなかった。彼は沖縄の南、島尻からきていたが、方言はほとんど同じなの ...

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「極右」を通り越して「王朝の権力争い」

カルロス氏(左)(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

カルロス氏(左)(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)  1月中旬からのボルソナロ政権のつまづきがお粗末だ。それを引き起こしたのはボルソナロ大統領自身ではない。それを起こしたのはまぎれもなく、彼の息子たちだ▼つまづきの発端となったのは長男フラヴィオ上院議員の、リオ州議員時代の幽霊職員の ...

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