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身近なアマゾン(34)――真の理解のために=根本的な自然保護策は?=道をつくらないこと

2007年3月14日付け

□自然保護と人間の未来について(2)
 話を戻して人間と自然との関係を考えたとき、もし地球上の全ての生物が食物連鎖によってしか生きられない、というのが原則だとすれば、食物連鎖の頂点にあると思われる人類が、究極的に地球上全てのものを食べ尽くし、最後に絶滅してしまうしかない運命にあるかも知れない、とは思えないだろうか。
 そうなる前に、人類はその知恵でなんとか生き長らえる方法を考え出す、とは思うのだが、その過程としてかなりの種類の生物を滅亡に追いやるだろうと思う。そんな現象が、すでに始まっているのだ。
 そこで、その破壊作業、いわゆる開発という名の破壊が、どの時期でどんな形で終わるか、が問題になってくる、と筆者は考えている。
 かなり近い将来、この地球上における未開の土地が無くなってしまう、いや、すでにもう未開という場所は地球上には無いのかもしれない。
 アジア大陸、アフリカ大陸、アマゾン湿地帯でも、文明をもった人類がそこに入る前、自然は頑としてこれ(人間)を拒否してきた。しかし、一度人類に入られてしまうと、この主従関係が逆転してしまい、自然が主で人間が従だったのが、人間が主になって自然が従になる。
 これは何の力かというと、人類(主にヨーロッパ人)の頭脳によって生み出された銃火器の力だろうと思う。何万というインカ帝国がフランシスコ・ピサロ率いる僅か百人余りのスペイン人によって滅ぼされたのも、日本がたった数隻の黒船によって開国を強いられたのも、すべて銃火器の力だったのだと思う。
 そういう意味においても、銃を発明したヨーロッパ文明が、結局人類を、自然を、破滅に追い込む原因になるのだろう。
 また、別の面ではアフリカから端を発した「エイズ」という人間の天敵によって、人間がバタバタ死んでいく状況にある。このような現象を〔人間の間引き〕なんていう危ない現象だとすると、これも自然浄化の一端となるのかもしれない。
 人間の間引き、なんていう危ない表現になったが、地球上に人間が増え過ぎたら、結局絶滅するしかなくなってしまう現実がありそうだ。究極の自然保護は、究極の人類救済なのかもしれないと考えている。
 自然保護という問題を取り上げると、結局、そこまで行ってしまう、ということではないだろうか。
 話が大きくなってしまったので、本題をアマゾンの話しに戻して――。
 アマゾン上空をたびたび飛んでいて、本当の意味でのアマゾン自然保護とは、一体どういうことか考えてみた。
 アマゾンの山に木を植えることなのか、滅びゆく動物を集めて人工的に増殖させることなのか。それらも方法の一つとしては正解なのだろう。
 しかし、最も根本的なアマゾン地域の自然保護対策を具体的に考えるならば、それは〔人間が入る道を作らないこと〕だと筆者は確信をもって言える。
 上空から観察していると、一本の道を挟んで、その両側がキッチリと開拓され、そこから全ての開発荒廃が始まっているのだ。アマゾンを守ろうと思えば、これ以上道を作らないことだと思う。それなら交通機関はどうするか、というと、これは川を使って船でやれば十分だろうと思うのだ。
 要するに、アマゾンを守ろうと思えば、自然を放っておくことが最大の自然保護だという結論に達した。 これが筆者の私的自然保護論である。つづく
       (松栄孝)
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